話題の「サム・アルトマンの dots 設定集」を読み解く:夜のうちに読ませ、朝「急ぎだけ」知らせてもらう使い方と注意点

The Super Intelligence 編集部 2026年10月5日 ▶ 動画 6分

この記事は、YouTube「fussa | AI自動化」の動画の内容をもとに、公式発表と照らし合わせて書いています。

要点

X で話題になった「Sam Altman's Personal Dots Setup」は、アルトマン氏の dots の使い方を第三者がまとめた非公式の資料です。夜のうちにメールや Slack を読ませ、朝に急ぎのものだけを下書き付きで知らせてもらい、送るかどうかは人が決めます。本稿では、その中身を OpenAI の公式情報と照らして整理します。

  • 話題の設定集は OpenAI やアルトマン氏本人の資料ではなく、第三者がまとめた1枚の図です
  • 中心は「AIが読む・選ぶ・下書きする、人が決めて送る」という役割分担です
  • dots のカスタムルールは、確認なしに実行/明示的に頼まれたら実行/実行前に確認/ユーザーに引き継ぐ、の4つから選べます
  • ルールはAIが従おうとする指示で、間違えることもあると OpenAI は説明しています。メール本文に紛れた不正な指示にも注意が必要です
  • dots は ChatGPT の Pro(月100ドルから)、Business Premium、管理者が有効にした Enterprise で順次提供されています

寝ている間にAIが届いたメールやチャットを全部読み、朝に「今日はこれだけ見てください」と教えてくれる。OpenAI の常駐エージェント dots を使った、こうした使い方をまとめた1枚の資料が X で話題になりました。

本稿は、運営者がこの「設定集」の中身を読み解き、始め方と注意点を解説した動画を、公式情報で確かめたうえで記事にしたものです。結論は、AIに任せるのは「読む・選ぶ・下書きする」までにして、送るかどうかは人が決める、という役割分担です。そのうえで、最初は報告を読むだけにして、少しずつ任せる範囲を広げることを勧めています。

話題の「設定集」は非公式の資料

まず資料の出どころを確認しておきます。動画によると、この資料は海外のエンジニアが10月1日に X に投稿した1枚の図です。題名は「Sam Altman's Personal Dots Setup」で、アルトマン氏個人の dots の設定という意味です。

大事なのは、これが OpenAI やアルトマン氏本人が出した資料ではないことです。動画でも、DevDay の基調講演や OpenAI の発表記事などをもとに、第三者が分かりやすくまとめたものだと明言しています。本稿でも、OpenAI や本人がこの図を公開したという一次情報は確認できませんでした。図の内容は「ひとつの使い方の例」として読むのが適切です。

dots そのものは、OpenAI が2026年9月29日の DevDay で発表したエージェントです。GPT-6 Astra を使い、自分専用のクラウド上のコンピューターとブラウザーで作業を続けます。Slack などのアプリとつながり、利用者からのフィードバックで好みを学んでいきます。名前や見た目は利用者が変えられ、スマートフォンのアプリ、デスクトップのアプリ、デスクトップのブラウザーから使えます。

アルトマン氏の使い方として紹介された話

動画では、米メディア Every が9月30日に公開したアルトマン氏へのインタビューをもとに、本人の使い方を紹介しています。ここで紹介する個別の発言は、本稿では一次情報で確かめられていません。動画の紹介として読んでください。

動画が挙げた使い方は2つです。

  • 夜のうちのチェック。 寝ている間に Slack・メール・カレンダーに届いたものを全部見ておき、朝、仕事が始まる前に急ぎのものだけを知らせてもらう。「次の予定まで少し時間があるので、その間にこの1件だけ見てください」と声をかけてくる様子も紹介されています。
  • アイデアを形にする。 散歩中や寝る前に思いついたことをボイスメモで吹き込むと、dot がいくつかの案を作り、それに意見を返していく。寝る前に長いボイスメモを残したら、朝には形になっていた、という話も紹介されています。

運営者は、何を考えるべきで何を考えなくてよいかという dot の判断を信頼している、という発言に注目しています。アルトマン氏は情報の選別そのものをAIに任せている、と見ています。

設定集の中身①:夜のループ

設定集の一番上にあるのは、使い方をひとつのループとして描いた図です。動画では、この図はアルトマン氏の使い方のうち初歩的な部分だけをまとめた、初心者向けの資料だと説明しています。

段階 誰が 何をするか
夜に届く — メール・カレンダー・Slack・ドキュメントや DM
夜のうち dot 全部読む → 急ぎかどうかで並べる → 返信の下書きを作る
朝 dot 急ぎのものだけを、下書き付きで知らせる
朝 人 OK する・直す・無視する、を決める

ポイントは、下書きは作るものの、何も送らないことです。読む・選ぶ・下書きするまでをAIが担い、決めて送るのは人です。運営者は、この役割分担がこの設定で最も大事なところだと述べています。

設定集の中身②:3つの線引きと dots のカスタムルール

図の下には、dots に何をどこまでやらせるかを決める「カスタムルール」が3つに分けて書かれています。

設定集の区分 内容
ALLOW(任せてよい) 読む・要約する・下書きする
REQUIRE APPROVAL(承認が必要) 送信・返信・招待の承諾
ALWAYS YOU(必ず自分で) パスワード・重要な手続き

実際の dots では、カスタムルールを次の4つの方式から選べます。

  • 確認なしに実行する
  • 明示的に頼まれたら実行する
  • 実行前に確認する
  • ユーザーに引き継ぐ

運営者は、設定集の3つの区分を、それぞれ「確認なしに実行する」「実行前に確認する」「ユーザーに引き継ぐ」に当てはめたものと見ています。

dots にはほかにも安全のための仕組みがあります。自動レビューは、作業の一つひとつを、利用者の指示や権限、カスタムルール、組み込みの安全要件と照らして確認します。OpenAI のヘルプでは、下書きを頼んでも送信を許可したことにはならず、パスワードの変更は利用者自身が行うと説明しています。また「Take over」を使うと、dot が使うクラウド上のコンピューターを利用者がマウスとキーボードで操作でき、「Return control」でAIに戻せます。

始め方の5ステップ

設定集には、このループを作るための5つのステップが書かれています。動画の解説に、公式の最新情報を補って整理します。

  1. dot を作る。 設定集では chatgpt.com/dots から作るとしています。動画では、デスクトップのアプリからも操作できると補足しています。なお動画では「スマートフォンからは作れない」と説明していますが、10月上旬の更新で ChatGPT のモバイルアプリから新しく作れるようになりました。モバイルのブラウザーからは作れません。
  2. アプリをつなぐ。 最初はメール、カレンダー、Slack の3つで十分です。Slack 以外の連絡ツールを使っている会社は、代わりにそれをつなぎます。
  3. やってもらう仕事を決める。 たとえば「夜のうちに届いたものを確認して、朝に急ぎのものを知らせる」と指示します。
  4. 送信と返信を「実行前に確認する」にする。 カスタムルールで設定します。
  5. 最初の数日は報告を読むだけにする。 使えると分かってから、任せる仕事を増やします。

動画によると、アルトマン氏本人は社内のダッシュボードなどともつなぎ、もっと幅広く任せているそうです。運営者は、この5ステップは初心者向けに範囲を絞った始め方だと説明しています。なお、具体的な設定や日数は設定集の提案で、OpenAI が推奨したものではありません。

気をつけたい3つのこと

動画は注意点を3つ挙げています。

1つ目は、設定集が公式の資料ではないことです。 アルトマン氏の話をもとにした第三者のまとめとして扱ってください。

2つ目は、メールの中に紛れたAIへの指示です。 メールの本文に、AIに向けた指示が隠して書かれていることがあります。これはプロンプトインジェクションと呼ばれる攻撃です。動画では、送信を「実行前に確認する」にしておくことが対策になると説明しています。ただし、OpenAI はカスタムルールについて、AIが従おうとする指示であり、間違えることもあると明記しています。設定すれば絶対に勝手に送られない、という保証ではありません。確認の設定は対策の一つと考え、人が下書きを読んでから送る運用を続けることが大切です。

3つ目は、使えるプランです。 OpenAI の案内では、dots は個人向けの Pro(月100ドル・200ドル・500ドル)、Business Premium、管理者が有効にした Enterprise で、順次提供されています。個人向けの Pro は18歳以上が対象で、欧州経済領域・英国・スイスでは使えません。対象のプランでも順次の提供なので、自分のアカウントで使えるかは画面で確かめてください。

経営者・事業責任者はどう取り入れるか

設定集が示しているのは、特別な技術ではなく任せ方の型です。読む・選ぶ・下書きするまでをAIに任せ、決めて送るのは人が担います。

取り入れるときは、次の順で進めるとよいでしょう。

  1. 任せる範囲を書き出す。 「任せてよい」「承認が必要」「必ず自分で」の3つに、自分の仕事を分けてみます。
  2. 送信はすべて承認制から始める。 メールやチャットの送信、招待の承諾は、最初は必ず人が確認します。
  3. 数日は報告を読むだけにする。 急ぎの判断が自分の感覚と合っているかを確かめます。
  4. 信頼できたら範囲を広げる。 合っていれば、つなぐアプリや任せる仕事を少しずつ増やします。

運営者は、小さく始めて信頼できたら広げていくやり方は、AIに限らず、新しく入った人に仕事を任せていくときと同じだと述べています。

関連する用語

出典

  1. 1Introducing dotsOpenAI・2026-09-29・確認 2026-10-14
  2. 2DevDay 2026 RecapOpenAI・2026-09-29・確認 2026-10-14
  3. 3Meet dotsOpenAI・確認 2026-10-14
  4. 4Control your dotOpenAI・確認 2026-10-14
  5. 5Connect computers and apps to your dotOpenAI・確認 2026-10-14
  6. 6Create your dot in the ChatGPT mobile appOpenAI・確認 2026-10-14
  7. 7PricingOpenAI・確認 2026-10-14

この記事を引用する

The Super Intelligence「話題の「サム・アルトマンの dots 設定集」を読み解く:夜のうちに読ませ、朝「急ぎだけ」知らせてもらう使い方と注意点」(2026-10-05)https://thesuperintelligence.jp/articles/sam-altman-dots-settings