OpenAI DevDay 2026 発表まとめ:常駐エージェント「dots」、GPT-6.1 Sol、Agents API の要点と企業への影響

The Super Intelligence 編集部 2026年9月30日 ▶ 動画 12分

この記事は、YouTube「fussa | AI自動化」の動画の内容をもとに、公式発表と照らし合わせて書いています。

要点

OpenAI は DevDay 2026 で20件以上を発表しました。中心は、目標を渡すと動き続ける常駐エージェント「dots」と、上位モデル Astra に近い性能を5分の1の価格で使える GPT-6.1 Sol、エージェントの裏側を引き受ける Agents API の3つです。「AIに聞く」から「AIに任せる」への転換を示す発表でした。

  • dots は ChatGPT に常駐し、自分専用のクラウド上のコンピューターで動き続けるエージェントです。Pro と Business Premium から提供されます
  • GPT-6.1 Sol は API で入力100万トークン2ドル・出力10ドルです。課題1件あたりの費用は Astra の約4分の1でした
  • Agents API(パブリックベータ)でセッション管理や複数エージェントの連携を OpenAI が引き受けます
  • Sign in with ChatGPT で、外部アプリの利用分を ChatGPT の契約枠でまかなえるようになりました

OpenAI は2026年9月29日(日本時間では30日未明)に開発者向けイベント「DevDay 2026」を開き、モデル、ChatGPT、Codex、API にわたって20件以上を発表しました。ChatGPT の週間利用者は12億人を超えたそうです。

数が多いので、本稿では企業の利用に関わるものに絞って整理します。中心は次の3つです。

発表 ひとことで言うと 提供状況
dots ChatGPT に常駐し、目標に向けて動き続けるエージェント Pro・Business Premium から順次
GPT-6.1 Sol 最上位の Astra に近い性能を、5分の1の価格で ChatGPT(Plus 以上)・Codex・API
Agents API エージェントの面倒な裏側を OpenAI が引き受ける API パブリックベータ

dots:ChatGPT に常駐するエージェント

今回の主役は dots です。これまでの ChatGPT は、質問すると答える「待ち」の使い方が基本でした。dots は目標を渡しておくと、指示を待たずに調べものや作業の先回りを続けます。複数の案件を並行して抱えられ、案件ごとに会話を分けて指示し直す必要もありません。

仕組みの特徴は3つあります。

  • 自分専用のクラウド上のコンピューターを持つ。 dot ごとにクラウド上のコンピューターとブラウザーがあり、そこで作業します。中で動くモデルは GPT-6 Astra です。
  • 4,000以上のアプリとつながる。 連携したアプリを使って作業を進めます。
  • 使うほど自分向けになる。 これまでの ChatGPT の文脈を引き継いで始まり、使うにつれて好みを覚えていきます。

話しかける場所も広く、ChatGPT のデスクトップ・Web・モバイルに加え、Slack と Microsoft Teams からも使えます。音声通話にも対応していて、同僚に電話をかけるように dot に話しかけられます。米国の Pro 利用者向けには、SMS でのやり取りも限定ベータで始まりました。

使えるプラン

プラン 提供 注意点
Pro 順次提供 欧州経済領域・スイス・英国では使えない
Business Premium 順次提供 対応する全地域で使える
Enterprise・Edu ベータ 管理者が有効にする必要がある

対象は18歳以上の利用者で、順次提供されています。今後は、複数の dot をチームとして動かす機能を予定しているほか、企業向けに社内の役割と権限を持たせる「Specialist dots」のプレビューも始まっています。

どう見るか

長時間動き続けるAIは、これまで一部の詳しい利用者が工夫して使うものでした。利用者数が最も多い OpenAI がそれを標準機能として出したことで、「AIに任せる」使い方が一般に広がる転換点になると見ています。

GPT-6.1 Sol:Astra に近い性能を5分の1の価格で

GPT-6.1 Sol は GPT-6 Sol の改良版で、エージェント型のコーディングやコンピューター操作、長い業務フローが得意になりました。OpenAI によると、コーディング、コンピューター操作、専門業務で最上位の GPT-6 Astra に近い性能を、Astra の5分の1のトークン価格で出せるとのことです。

項目 GPT-6.1 Sol GPT-6.1 Sol Ultrafast
入力(100万トークン) 2ドル 12ドル
キャッシュ済み入力(100万トークン) 0.10ドル —
出力(100万トークン) 10ドル 60ドル
速度 標準 Codex で最大8倍、API で最大6倍

OpenAI が示した比較では、ある評価課題1件あたりの平均費用は GPT-6.1 Sol が5.47ドルで、Astra(23.80ドル)や Anthropic の Opus 5.5(23.21ドル)の約4分の1でした。文脈は最大105万トークン、出力は最大12.8万トークンまで扱えます。ChatGPT では Plus 以上の全プランで使え、API のモデル名は gpt-6.1-sol です。

あわせて出た Ultrafast は、料金を6倍払う代わりに生成を速くする選択肢です。普段使いには向きませんが、期限が迫った大量の処理を Astra 級の品質で終わらせたい場面では使いどころがあります。

動画では、運営者が発表当日に使った印象として「トークン効率がよく、Astra より使い勝手がよい」と述べています。Anthropic が直前に出した Opus 5.5 が「トークン効率が高く、上位モデルが不要になる」と話題になっていたことから、その対抗として出してきた面もあると見ています。

開発者向け:Agents API と Decisions API

開発者向けで最も大きいのは Agents API です。エージェントを自前で作ると、セッションの管理、複数エージェントの連携、長くなった文脈の圧縮、エラーからの復旧といった面倒な部分が山ほどあります。Agents API はこの裏側を OpenAI が丸ごと引き受けるので、開発者はツールと実行環境を定義するだけで済みます。OpenAI がホストするブラウザー、コンピューター操作、ツール検索、並列のサブエージェントにも対応し、現在はパブリックベータとして提供されています。

関連して次の2つも発表されました。

  • Decisions API(限定プレビュー):決まった選択肢から分類や振り分けをすることに特化した API です。小型モデルの Luna をもとにしています。
  • Bedrock Managed Agents(限定プレビュー):AWS と組み、Amazon Bedrock 上で OpenAI のエージェントを動かせるようにします。

ChatGPT のアプリ化と Sign in with ChatGPT

ChatGPT のプラグインは、サイドバー、操作できるパネル、独自のファイルビューアーを ChatGPT と Codex の中に組み込める形に広がりました。ChatGPT を、他社のアプリが乗る土台にしていく動きです。

企業にとって影響が大きいのは Sign in with ChatGPT でしょう。Google や Apple のアカウントで外部サービスにログインするのと同じように、ChatGPT のアカウントでログインできます。Notion、Vercel、Devin など16社が最初の提携先になりました。

ポイントは、Plus と Pro の利用者が、提携先のアプリで使うAIの費用を自分の ChatGPT の契約枠でまかなえることです。これまで外部サービスで ChatGPT のモデルを使うには、契約とは別に API の従量課金が必要でした。利用者は API キーなしで使え、アプリを作る側はトークン代を自社で負担しなくて済みます。ChatGPT でのログインを付けるサービスは今後増えると見ています。

Codex:クラウドでの実行と音声での指示

コーディングエージェントの Codex も大きく変わりました。

  • クラウドで動く。 パソコンを閉じても作業が進み、どの端末からでも続きを確認できます。
  • CLI が音声に対応。 話しかけて指示できるほか、複数のエージェントを見渡す /agents の画面、セッションの再開なども加わりました。
  • レビューと安全性。 GitHub と GitLab 向けのコードレビューの流れが新しくなりました。Codex Security Cloud は、リポジトリとコミットを定期的に調べて脆弱性を見つけ、修正案まで用意します。

基調講演の実演では音声機能がうまく動かない場面もありましたが、方向性は妥当だと見ています。

チームで使う ChatGPT:ChatGPT Space

人とAIが一緒に働く場としての ChatGPT も強化されました。ChatGPT Space は、チームのメンバーと ChatGPT、dots がファイルや案件の文脈を共有するワークスペースです。共同で編集できるスライドも数週間のうちに加わる予定で、Notion や Google Workspace、Microsoft 365 の領域に踏み込む動きと言えます。

ほかに、Slack や Teams で「@ChatGPT」と呼ぶとその場で答える機能、定期的な仕事を割り当てるチーム向けのタスク、会議のメモとやることを自動で作る Meetings プラグイン(macOS 版でベータ)も出ました。

ただし、実際の企業は ChatGPT だけでなく、Claude や Grok、社内で動かすモデルを組み合わせて使っていることが多いはずです。OpenAI の中に文脈を集めるだけで足りる会社がどれだけあるかは疑問で、すぐに主流になるとは考えにくいところです。一方で、ChatGPT だけで全社の業務を回している会社には大きな発表になります。

経営者は何を考えるべきか

今回の DevDay のテーマははっきりしています。AIを「聞く相手」ではなく、長時間任せられる「同僚」として迎える段階に入りました。一般の利用者には dots を、開発者にはそれを作る Agents API を、現実的な費用で動かすモデルとして GPT-6.1 Sol を出したのは、その方向を押し進めるためです。

企業として考えておきたい点は4つあります。

  1. エージェントの裏側を自前で作る必要は減る。 その分、どのツールを渡し、どこまで権限を与えるかという設計の力が、会社ごとの差になります。
  2. 文脈を散らばらせない。 Slack、Notion、Google ドライブ、PowerPoint などに分かれた情報やファイルの置き場をどう集めるかが、本格的に問われます。
  3. 安全性の重みが増す。 AIに自動で任せる範囲が広がるほど、安全性への注目は高まります。会場でも、アルトマン CEO が安全性についての質問に直接答えていました。
  4. 使える人と使えない人の差が広がる。 dots のような機能は上位プランに限られます。トークンに予算を割ける会社とそうでない会社の差は、今後さらに大きくなるでしょう。

関連する用語

出典

  1. 1Introducing dotsOpenAI・2026-09-29・確認 2026-10-05
  2. 2Introducing GPT-6.1 SolOpenAI・2026-09-29・確認 2026-10-05
  3. 3DevDay 2026 RecapOpenAI・2026-09-29・確認 2026-10-05
  4. 4DevDay 2026 announcements and developer resourcesOpenAI Developer Community・確認 2026-10-05
  5. 5OpenAI DevDay 2026 Recap for DevelopersInfoQ・確認 2026-10-05

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The Super Intelligence「OpenAI DevDay 2026 発表まとめ:常駐エージェント「dots」、GPT-6.1 Sol、Agents API の要点と企業への影響」(2026-09-30)https://thesuperintelligence.jp/articles/openai-devday-2026