Claude Haiku 5.5 と GPT-6 Luna を実務10本で比較:正確さ・速さ・費用の実測と、仕事ごとの使い分け

The Super Intelligence 編集部 2026年10月9日 ▶ 動画 27分

この記事は、YouTube「fussa | AI自動化」の動画の内容をもとに、公式発表と照らし合わせて書いています。

要点

Anthropic の Claude Haiku 5.5 と OpenAI の GPT-6 Luna は、どちらも入力100万トークン0.10ドル・出力0.50ドルの小型モデルです。運営者が架空の会社の実務10本で比べた結果は、Luna の7勝・Haiku の2勝・引き分け1つでした。速さと費用は多くの仕事で Luna が上回り、SQL と問い合わせ対応では Haiku が勝っています。

  • 基本の単価は同じですが、長い入力では差がつきます。Haiku 5.5 は入力10万トークン超で単価が5倍、GPT-6 Luna は27.2万トークン超で入力2倍・出力1.5倍です
  • 運営者の実測では、10本中 Luna が7勝、Haiku が2勝、引き分けが1つでした
  • 約18万字の記録を読ませた仕事では、正解率が Luna 93.3%・Haiku 73.3%で、費用も Luna が大きく下回りました
  • SQL で答える仕事では Haiku が正解率93.3%と、Luna の76.7%を上回りました
  • 10本の総費用は Haiku が67円、Luna が16円でした

Anthropic が2026年10月7日に Claude Haiku 5.5 を公開しました。比べる相手は、OpenAI が9月22日に API で公開した GPT-6 Luna です。どちらも軽い作業を大量にこなす小型モデルで、基本の単価も同じです。

本稿は、運営者がこの2つを架空の会社の実務10本で比べ、正確さ・速さ・費用を測った動画を、公式情報で確かめたうえで記事にしたものです。結果は Luna の7勝、Haiku の2勝、引き分けが1つでした。多くの仕事で Luna が速く、安く済んでいます。一方で、SQL を書いて答える仕事と、問い合わせへの丁寧な返答では Haiku が上回りました。

なお、ここで紹介する実測の数値はすべて運営者自身の試験によるものです。公式の性能評価ではありません。

2つのモデルの基本:単価は同じ、長い入力で差がつく

まず公式の情報で、2つのモデルを整理します。

項目 Claude Haiku 5.5 GPT-6 Luna
公開 2026年10月7日 2026年9月22日(API)
モデル名 claude-haiku-5-5 gpt-6-luna
入力(100万トークン) 0.10ドル 0.10ドル
出力(100万トークン) 0.50ドル 0.50ドル
単価が上がる入力量 10万トークン超 27.2万トークン超
長い入力の単価 入力0.50ドル・出力2.50ドル(5倍) 入力0.20ドル・出力0.75ドル(入力2倍・出力1.5倍)
扱える文脈 100万トークン 105万トークン
最大出力 12.8万トークン 12.8万トークン
入力と出力 テキスト・画像を入力、テキストを出力 テキスト・画像を入力、テキストを出力

表の単価は、Luna については通常の処理での値です。キャッシュや処理の方式、使うトークンの量によっても総額は変わります。

Haiku 5.5 は、大量の分類や抽出、要約のように、速さと量が求められる仕事に向けたモデルです。Anthropic は、典型的な実行費用が Haiku 4.5 より平均で約75%下がると説明しています。考える量(effort)は low・medium・high・xhigh・max の5段階から選べ、標準は medium です。

Luna について OpenAI は、社内の事実性の評価で、高い effort の Luna が GPT-5.6 Sol と同等の結果を約100分の1の費用で出したと報告しています。これは特定の評価での結果です。どんな仕事でも同じ比率になるという意味ではありません。

運営者が強調しているのは、単価が同じでも費用は同じにならないという点です。1回の依頼で入力が10万トークンを超えると、Haiku の単価は5倍になります。Luna が値上がりするのは27.2万トークンを超えてからで、上がり幅も小さくなります。長い文書を読ませる仕事ほど、Luna のほうが安くなりやすい設計です。

公式の性能比較は「参考」として読む

両社とも、自社のモデルが優れているという評価を出しています。

Anthropic の発表では、Luna の値が載っている6つの評価で、すべて Haiku が上回っています。たとえば、パソコン操作の OSWorld では Haiku が72.4%、Luna が48.9%でした。端末操作の Terminal-Bench では39.2%と16.4%です。

OpenAI 側は、コーディングの評価(DeepSWE)で、最も高い effort の Luna が Opus 5 や Fable 5 の medium 設定と同等の結果を出し、費用はそれぞれ93%・96%少なかったと示しています。

運営者は、両社ともそれぞれの立場から語っているので、片方の発表だけでは判断できないと見ています。また、小型モデルにWebサイトやゲームを作らせて比べても、設計の狙いと合わないとも述べています。そこで、小型モデルが本来得意とする仕事で実際に測ったのが今回の企画です。

試験の方法:架空の会社の実務10本

題材は「NAGI Ring」という架空のスマートリングを売る会社です。この会社で起こりそうな仕事を10本用意し、次の3つに分けています。

  • すぐ返す(3本):問い合わせへの返答、メモからのメール作成、朝の通知文の作成
  • たくさんこなす(4本):長い記録の読解、レビューの分類、領収書の読み取り、SQL での集計
  • 手早く作る(3本):サイズ診断ツール、キャンペーンページ、プログラムのバグ修正

それぞれ同じ題材を3回ずつ測り、正確さ・速さ・安さ・仕上がりの4点で採点しています。正確さ・速さ・安さは自動で判定し、仕上がりは運営者の好みで決めています。

動画の画面には、一部で別のモデル名の表記が混じっています。本稿では、動画の冒頭で示された比較対象の Claude Haiku 5.5 と GPT-6 Luna として扱います。

実測の結果:10本の正確さ・速さ・費用

運営者の測定結果は次のとおりです。費用は1回または1問あたりの値として動画に表示されたものです。

仕事 正解率 Haiku / Luna 完了までの時間 Haiku / Luna 費用 Haiku / Luna 勝ち
01 問い合わせにチャットで答える 数値の表示なし 数値の表示なし 数値の表示なし Haiku
02 話し言葉のメモをメールにする 100% / 100% 11.9秒 / 4.1秒 0.14円 / 0.04円 引き分け
03 長い対応記録から答える 73.3% / 93.3% 34秒 / 47秒 14.3円 / 2.3円 Luna
04 レビュー300件を分類する 92.4% / 92.7% 121.2秒 / 105.5秒 5.8円 / 1.3円 Luna
05 領収書20枚を読み取る 100% / 100% 71秒 / 32.5秒 1.64円 / 0.63円 Luna
06 売上データに SQL で答える 93.3% / 76.7% 19.7秒 / 22.8秒 0.77円 / 0.19円 Haiku
07 アプリの「朝のひとこと」を作る 100% / 100% 76.8秒 / 26.5秒 0.43円 / 0.14円 Luna
08 指輪のサイズ診断ツールを作る 同じと評価 72.8秒 / 26.9秒 0.54円 / 0.22円 Luna
09 年末キャンペーンのページを作る 100% / 100% 72.7秒 / 31.7秒 1.6円 / 0.70円 Luna
10 グラフのバグを直す 100% / 100% 13.6秒 / 8.7秒 0.12円 / 0.05円 Luna

最終的な勝敗と、動画の最後に示された全体の集計は次のとおりです。全体の集計がどの方法で計算されたかは、動画では説明されていません。

項目 Claude Haiku 5.5 GPT-6 Luna
勝ち数 2勝 7勝
全体の正解率 95.4% 96.9%
全体の完了までの時間 52.8秒 44.7秒
1回あたりの費用 0.43円 0.11円
10本の総費用 67円 16円

仕事ごとに見えた違い

問い合わせ対応は Haiku。 「資料にないことは推測せず、担当者が確認して連絡すると伝える。返信は200字まで」という条件で、10通の問い合わせに答えさせました。運営者は、Haiku の返答が「ご不安ですよね」のような気づかいや結びの言葉を添え、一通ずつ丁寧に答えていると評価しています。正確さ・速さ・仕上がりで Haiku の勝ちとしました。

メールは引き分け。 言いよどみの多い営業担当のメモから、送れるメールを作る仕事です。数値では Luna が速く安かったものの、費用の差は0.1円ほどでした。運営者は Haiku の文面を好み、引き分けにしています。

長い記録の読解は Luna。 約18万字・1,000件の対応記録を一度に読ませ、5つの質問に答えさせました。正解率は Luna が93.3%、Haiku が73.3%です。入力が10万トークンを超えたため、Haiku は単価が5倍になり、費用も大きく開きました。運営者は、Haiku の文章は人間味があって正しそうに見えたものの、実際には誤りが含まれていたと振り返っています。文章の印象だけで正しさを判断する危うさを示す結果です。

SQL は Haiku。 注文データに10問の質問をし、SQL を書いて実際に動かし、答え合わせをしました。正解率は Haiku が93.3%、Luna が76.7%で、速さも Haiku が上でした。

そのほかの仕事は Luna。 レビューの分類、領収書の読み取り、朝の通知文、サイズ診断ツール、キャンペーンページ、バグ修正では、正解率や仕上がりに大きな差はありませんでした。そのうえで、ほぼすべてで Luna のほうが速く、安く済んでいます。運営者は、Haiku は頼まれていない補足まで良かれと思って加え、Luna は求められたことだけを返す傾向があると感じたそうです。ただし、これは今回の試験での印象です。

どちらを選ぶべきか

運営者の結論は、今回の10本では Luna が優勢というものです。速さと費用で Luna が勝つ場面が多く、Haiku には不利な勝負だったと述べています。そのうえで、SQL を書くような仕事は Haiku、それ以外の簡単なテキストの仕事は Luna という使い分けを勧めています。

この結果から、条件ごとの選び方を整理すると次のようになります。

条件 向いているモデル 理由(今回の実測)
長い文書を読ませる GPT-6 Luna 正解率が高く、長い入力でも単価が上がりにくい
大量の分類・抽出 GPT-6 Luna 正解率はほぼ同じで、速く安い
SQL などデータの集計 Claude Haiku 5.5 正解率で上回った
顧客への丁寧な返答 Claude Haiku 5.5 運営者の評価で文面が丁寧

経営者・事業責任者が押さえておきたい点は3つあります。

  1. 単価ではなく、仕事1件あたりの費用で比べる。 単価が同じでも、長い入力の扱いとトークンの使い方で、今回の総費用は約4倍の差になりました。問い合わせが数万件ある会社や、大量の文書を読ませる会社では、この差がそのまま費用の差になります。
  2. 自社の仕事で小さく測る。 公式の評価は両社とも自社に有利な条件で示されています。今回のように、実際の仕事に近い題材で正確さ・速さ・費用を測るのが確実です。
  3. 文章の印象で正しさを判断しない。 丁寧な文章が正しいとは限りません。正解と照らし合わせて確かめる仕組みを用意してから任せる範囲を広げます。

運営者は、理想はすべてのモデルの特徴を理解したうえで、仕事ごとに適したモデルに任せることだと述べています。ChatGPT と Claude の両方を使っている会社なら、まずは今回の結果を手がかりに使い分けを試してみるとよいでしょう。

関連する用語

出典

  1. 1Introducing Claude Haiku 5.5Anthropic・2026-10-07・確認 2026-10-14
  2. 2Claude Haiku 5.5Anthropic・確認 2026-10-14
  3. 3Prompting Claude Haiku 5.5Anthropic・確認 2026-10-14
  4. 4GPT-6 Luna ModelOpenAI・確認 2026-10-14
  5. 5ChangelogOpenAI・確認 2026-10-14
  6. 6Introducing GPT-6 Sol and LunaOpenAI・2026-09-22・確認 2026-10-14

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The Super Intelligence「Claude Haiku 5.5 と GPT-6 Luna を実務10本で比較:正確さ・速さ・費用の実測と、仕事ごとの使い分け」(2026-10-09)https://thesuperintelligence.jp/articles/claude-haiku-5-5-vs-gpt-6-luna

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